将棋
1月の頭くらいから何故か将棋をはじめた。ヘボいけど楽しい。何故はじめたかといえば周囲で流行っていたからだけれど、流行り自体は12月くらいからだったし、夏には某まるさん、そういえば去年には同期に誘われていたのにこのタイミングからだったのはよくわからん。
現状ウォーズはこんな感じ。
ウォーズはじめて少ししたところに同期に直接右四間教えて貰って以来右四間厨になってしまった。覚えたてのころは全く成功しなくて右四間のせいで全体勝率が下がっていったのが、今では右四間勝率のほうがいいのでもう全く言い訳できない。
右四間のときの舟囲いが舟囲いカウントされないのとカニのほろ酔い囲いが無いので、得意戦法と得意囲いが乖離している。
・流れ
(12月下旬に将棋盤を貰い機種変のときにiPadを手に入れる→)1月頭に何となくウォーズで指し始める→同期に観戦されていたせいで何かの折に直接教わり、羽生アプリはいいぞという話を聞く→某氏の樹でもおすすめされていたのもあり購入→楽しい→一日3局がまどろっこしくなりウォーズ課金→詰将棋を始める→右四間本を買ったり貰ったり(身についていない)→一目の手筋を買う→今
羽生定跡アプリはとりあえず代表的な戦法の触りが色々載っているので適当に眺めているとこれやりたい!みたいな感じでモチベが湧くのが一番いいところだと思う。最序盤における諸々の対策なんかはもう少し活用できる気がする。
ウォーズ課金して一ヶ月間指し放題になってしまったので負けが続くとつい勝てるまで反省もせず対局してしまって更に負けるという負のスパイラルで勝率が4割後半から3割台に落ち込んだ。指し放題だとなんというか2048ばりにとにかく惰性で続けて時間を浪費してしまう。期間が終わったら当分1日3局に甘んじますはい。
・変わったこと
少し前まで感情が完全に死んでいたのもあって電車移動中は駅メモ(ブルーライセンス)ポチポチマンだったのが、最近は延々と詰将棋をしている。電車ソシャゲマンよりは詰将棋マンのほうが文明人という感じがする。そうか?3手詰めハンドブック一通り終えてだいたいサクッといけたなと思ったので5手詰めに移ったけどあまり解けないというか時間がかかりすぎるので3手詰めやり直した方がいい気もする。
・今後
早石田やゴキ中されるとまず序盤からもうだいたいダメなのを何とかしたい。おれも暗黒面に落ちるか。どんな戦法でも序盤〜中盤の駒損が多くてそのまま負けるのと無理攻めして負けることが多いのでそこもなんとか。あとはどんどん右四間しかできなくなっている(棒銀しかけようと思ったら普通に間違えた)ので他の戦法も覚えないといけない。居飛穴だ居飛穴しかない。あと詰将棋。
『ウォール街の物理学者』『金融の世界史: バブルと戦争と株式市場』
年末に読んだ2冊なのでまとめて書く。どちらも面白かった。
「この本は、金融の世界に飛び込んでいった物理学者たちの物語だ。二〇〇八年の金融危機のこともでてくるけれど、それは話の一部にすぎない。(中略)でも僕が書きたいのは、もっと大きなテーマだ。クオンツというものがどうやって生まれてきたのか、そして現代の金融理論に欠かせないものとなった「難解な数理モデル」 とはいったい何なのか、それを理解する試みだ。」
……と、概ねイントロダクションに書いてある通りの内容。中盤くらいまでは著名な物理学者・数学者・情報科学者(ポアンカレ、ギブス、マンデルブロ、シャノンなどなど)が(指導教官であったり共同研究者であったりあるいは当事者として)これでもかと出てきて取っ付き易いというかお前か!となる。ブラック・ショールズ方程式で有名なブラックも自然言語処理に貢献していたとか、ソネットとかいう何でもやるマンとか、何というかすごい人はすごいなあ、みたいな。
確かに、クオンツというものがどうやって生まれてきたのかについてはよく分かった。「難解な数理モデル」とはいったい何なのかは結局良くわからず仕舞ではあるが、ランダムウォーク・モデルは1900年のバシュリエの博士論文まで遡るというか、(その後約50年間日の光を見なかったとはいえ)かなり古いものだということを知れてよかった。
金融の世界史というか、お金(広義)にまつわる世界の話が色々と書いてあるという印象。メソポタミア文明が如何に先進的であったかや、世界各地で今で言うオプション取引がどれだけ古くからあったのか、有名な戦争や革命の時期での各国の経済状況がどうであったのかなどが書いてあり、興味深く読めた。
ただ古代〜中世〜近代くらいまでは面白かったものの、比較的現代の話では酒田五法をはじめ明確に根拠があるわけでもないテクニカル分析(笑)に紙面が多く割かれているのはあまり面白くなかった。
モデルから出発する場合はランダムウォーク・モデルのような単純なモデルはあくまで出発点であり、実際のデータとの解離具合から適宜修正する必要があるというのは実際そうだし、前述の本にも書いてあるし、修正されたモデルも実際色々とある(らしい)。最近の大失敗は古い単純なモデルを頑なに使い続けたため、と前述の本にも書いてあるし、その辺りの経緯を考慮しないでモデルから出発するのはどうこう、というのは早計だと思う。モデルから出発するからこそ、現実のデータと対比したときに、どの仮定がどのように現実的でないかが明らかになるわけで。
人間はランダムかそれに近いようなデータ列を見ても勝手に法則性のようなものを見出してしまうので、モデルではなく実際のデータから規則性を抽出することから出発する場合は尚更実際のデータとの一致性が求められる(と思う)し、それに基づく予測が外れたときに説明のしようがなくなりかねない(と思う)。とりわけそれを人間がやってしまう場合はどれだけバイアスがかかるかもを考えると色々通り越して恐ろしい。
2016 12/20追記
何か久々に読んだら意味分からんことが書いてあったので打消。一致性とかバイアスとかいう単語を使うと統計の文脈に思われかねないのでだめだな。こういう場合は予測誤差が小さいモデルがよかろうと思われるので統計でいうところのバイアスはあってもいいです。何でも直線、何でもガウシアン、こんな感じで線を引ける気がする、とかはよくないです。
『リスクを知るための確率・統計入門』
5章の損保数理入門は流してとりあえず読み終えたことにした。
一応本書は『弱点克服大学生の確率・統計』と『リスク・セオリーの基礎』のギャップを穴埋めするものとして想定されたらしい。
けれど『統計学入門』のような本と前者のような演習書の間にも(とりわけ演習不足マンには)ギャップはあって、むしろ個人的にはその穴埋めに役立った。ギャップはたとえば幾何分布、負の二項分布あたりの知識とか、密度関数の変換を息をするようにできることとか。『統計学入門』にも書いてはあるんだけど、こう流しがちな配置であったり具体的じゃなかったりするので、その辺りが強調されて具体的に書いてあって助かる。
あとキュムラントは便利だなとか、尖度の-3はそこから来てたのか!みたいなことも知れて面白かった。
理屈の上ではわかった積りになっているんだけど、具体的に計算しようとしたときに詰まりがちなのが解消される良書だと思う。
『損害保険の知識』
いろいろ書いてあるので単純に頭がパンクする。
とりあえず第三分野のウェイトの大きさ、再保険、自由化や金融ビッグバンの重要性は何となくわかった。
新しい流れや合併がどんどん進んでいること(とはいえ00年台の話)は面白いなあと思った。
『あなたの人生の物語』
端的に言って面白かった。とくに好きな作品は以下の4つ
・バビロンの塔
宇宙というか従ってる物理法則というかがこの現実世界のものと違うということがしれっと提示されるので、えっえっとなったりした。オチがまさにオチでよい。こういう情景で殴るタイプの静かなSFはむつかしいというか得意ではない。
・理解
静かじゃないSF。いきなり臨界超越者とか言い出すところで笑った。
・あなたの人生の物語
いい表題作だった。SF的な云々は置いておいても、単にその認識をもった上でその選択をした/受け入れたことがいいな、と思った。みんな大好き変分原理。この汎用性の高い手法をネタ的に使うのはこう勇気があるなあと思う。
・七十二文字
意外と好き。屍者の帝国からジョークと旅行を抜いて石造りで綺麗にしたみたいな感じ(伝われ)。やっぱり19世紀後半のイギリスはな~いいよな〜みたいな。
近況@12/10
ここ一ヶ月くらいのことをまとめて書く。
・同人CD,ゲームの類を売った
先月の本よりも少ない数で合わせて25k程度で売れた。中学生のころから集めていたものも、手放すときにはあまり感慨もなくただ本より高く売れるのだなあくらいに思った。
・実験マシーンになった
冷静に考えてみて面白くないことでも、とにかく自分で試行錯誤して何とかやってみる、というのは楽しいことなんだなと思った。とりあえずある程度卒論の目処が立ってよかった。
・劇場版HA-MONIをみた
チケット予約メールにそう書いてあったのでそう書いた。
映像として単純に面白くない。描写がとにかく陳腐。最後のくだりのせいで闇堕ちした昔の恋人を殺すのが主題にすり替わっているようで、B級映画感しか残らなかった。ストーリーや設定自体が大きく変わっていてもまだ画的に見どころのある屍者の帝国のほうがマシだったと思った。
・ファフダスが最高
カノン回では意味がわからないくらい泣いてしまったし、仲間絶対守るマンとお空綺麗マンが助けにくるシーンが熱すぎた。
登場人物の描写、間のとりかた、微妙な表情の変化、空・海・島の美しい映像、とにかく動く戦闘シーンなんかは前半からもそうだったけれど、終盤に入るにしたがって出てきた一期、RoL、HAEのセルフオマージュが上手い。というかヤバい。あと後期OPの映像ズルいでしょ。10年代で最高のアニメだとさえ思う。
・確率・統計のお勉強が楽しい
割と現実逃避的なところはあると思う。キュムラントのご利益がやっとわかったりした。ただ、テール確率の積分が期待値に等しいことの証明なんかがちゃんと指示関数を使って云々するのでなく、ただの部分積分での計算(第一項が発散しかねないので証明にならない)で十分納得してしまったり、そもそもΓ関数とベータ関数の関係の公式もよく使う割にはちゃんと証明できないあたり、こう数学のセンスが工学徒的なままというかあまりよろしくない。今はとにかく先に進もうとしてるけれど基礎的なところもちゃんとやらないといけないなと思う。
・FGOについに課金してしまった
スカサハが実装されたら本気出すと言っていた通りに有言実行してしまった。本当に引けてよかった。おき太欲しさに貯めてた石を全部消費したところに突然来てしまってリアルに奇声を上げた。副産物として☆4と☆5がやたら増えてるあたりから察して欲しい。これ以上は原作鯖のクラス違いが竹内絵かこやま絵でドストライクでもない限り絶対課金しない(フラグじゃない)。
薄い一ヶ月間だった。最近は完全に参っていて移動中虚ろな目でスマートフォンを見ながら駅メモをポチポチするような人間に成り下がってしまった。
本を売った
理工書や新書を合わせて計60冊近く売り、合わせて1万円と少しになった。一冊の値は800円ついたものから10円まで幅広く。比較的定評がある本だと数百円にはなるのかしら。状態は総じて極端に悪くはないけれどそこまで良いわけでもないくらい。
見積もりも査定も振り込みも迅速で、送料をこちらが負担せず済んだのもありかなり満足している。
ちなみに自分のものを売る、というのは今回が初めてだった。だから実家の自分の部屋には、もう使わないゲーム機もやらないゲームソフトも読まない本と漫画もCDも大量に置かれたままになっている。時期を逃したからもうまとめて処分するなら売るより捨てたほうが安上がりになりそうな気がする。
蔵書を手放すことにした理由には、来春の引っ越しにあたって荷物を減らしたいとか、単純にこれ以上の置き場がないとか、スペースを省きたいということに集約される訳だけど、心境の変化もある。
足るを知るじゃないけれど、必要なものが必要なだけあればいいという思いが強くなってきている。その一環として、参照頻度の低い本は、物理的に場所を取るコストが、その本を所有していたい気持ちを上回らない限り全部必要ないと思うようになった。
だから今回手放してみたわけだ。
本を収集して本棚に収めることは盆栽や庭造りのような箱庭づくりなんだと思う。集めた本を眺めて悦に浸るような楽しさがあるように、剪定も必要で、景観を損なう弱い本や陳腐な本は、あるときに必要だったとしても早々に間引いたほうがよい。
古臭くて場所を取るという意味である種贅沢な趣味になっていくのも被さるのかもしれない。