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人生のログ(にしたい)。本のメモや感想を中心に。

近況3/15

いまは卒論発表を無事終えて(直後の懇親会的なものでやらかしはしたけど)その翌日に即帰省をし療養中。

療養ということでストレッチから始めてぼちぼち運動をしてる。最初は軽いストレッチで全身の筋肉と関節が悲鳴を上げたり、腕立て伏せをすると肘が軋む上に5回で限界だったのが今はだいぶ(比較的)ましになった。

運動のおかげかストレスの少ない生活をしてるからかは分からないけど、勉強も再開できたし、夜に寝れて短い睡眠時間でも起きられるようになったし、全体的な体調不良もなくなって著しい回復を感じているところ。

筋トレをもっと回数こなせるようになりたいとかもっと時間・距離的に長く走れるようになりたいとかそういう風に思えるようにもなった。今は元が酷かっただけに成果が目立つけれど落ち着いてからも続けられたらいいなと思う。

 

確率・統計は確率変数の変換と検定ら辺をさっさと思い…出したをして問題ガリガリ解く段階に戻りたいところ。それはそうなんだけれど計算力が落ちてる。確率過程とベイズ統計と情報理論もやらないとなーあーあー。

 

将棋のほうは囲碁・将棋チャンネルで対局をだらだら観たりはしているものの(移動中の暇つぶしだった)詰将棋をやらなくなったり全く指さない日が増えたりとで何か更に弱くなった気がする。

『脳を鍛えるには運動しかない!―最新科学でわかった脳細胞の増やし方』

 

脳を鍛えるには運動しかない!―最新科学でわかった脳細胞の増やし方

脳を鍛えるには運動しかない!―最新科学でわかった脳細胞の増やし方

 

 基本的には、「運動(有酸素運動)をすると脳にいい」みたいなことが、そのケース(うつ、ADHD、加齢など)に応じて、マウスや人間での実験結果などの例とそれに対して考えられそうなメカニズムが延々と書いてある。ケースによって機構が違うのは分かるにしても、とにかく「運動はいいぞ」の繰り返しではあるので単調で飽きる。そのせいでタイトルの割にはしっかりした内容ではあるんだけどもタイトル通り自己啓発書めいてるというか。まあ走る気にはなれると思う。

 

筋トレなどの無酸素運動だと、マウスにスクワットさせるわけにもいかないし、人間にやるにしても何が主要項なのか分からないから何とも言えないっぽい。気分はよくなるけれど、認知機能は向上しない実験結果もあるとか何とか。

 

正直ここまで欲張らなくても体力を取り戻したいし実際気分は晴れる感じがするし運動はいいっぽい。

 

まず、気持ちがよくなり、頭がすっきりし、注意力が高まり、やる気が出てくる。つぎに、新しい情報を記録する細胞レベルでの基盤としてニューロンどうしの結びつきを準備し、促進する。そして三つ目に、海馬の幹細胞から新しいニューロンが成長する のを促す

 

脳にしてみればストレスはすべて同じで、違うのはその程度だけなのだ。

ニューロンは筋肉と同じように、いったん壊れて、より丈夫に作り直される。ストレスによって鍛えられ、回復能力を増していくのだ。こうして運動は心身の適応能力を 磨き上げていく。 ストレスと回復。それは生態系の基本的な枠組みでときに驚くほどの成果をもたらす。

 

DNAに刻み込まれた古代の活動は、おおまかにウォーキング、ジョギング、ランニング、全力疾走に置き換えることができる。

最後のジワジワ来ませんか。

将棋

1月の頭くらいから何故か将棋をはじめた。ヘボいけど楽しい。何故はじめたかといえば周囲で流行っていたからだけれど、流行り自体は12月くらいからだったし、夏には某まるさん、そういえば去年には同期に誘われていたのにこのタイミングからだったのはよくわからん。

現状ウォーズはこんな感じ。

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ウォーズはじめて少ししたところに同期に直接右四間教えて貰って以来右四間厨になってしまった。覚えたてのころは全く成功しなくて右四間のせいで全体勝率が下がっていったのが、今では右四間勝率のほうがいいのでもう全く言い訳できない。

右四間のときの舟囲いが舟囲いカウントされないのとカニのほろ酔い囲いが無いので、得意戦法と得意囲いが乖離している。

・流れ

(12月下旬に将棋盤を貰い機種変のときにiPadを手に入れる→)1月頭に何となくウォーズで指し始める→同期に観戦されていたせいで何かの折に直接教わり、羽生アプリはいいぞという話を聞く→某氏の樹でもおすすめされていたのもあり購入→楽しい→一日3局がまどろっこしくなりウォーズ課金→詰将棋を始める→右四間本を買ったり貰ったり(身についていない)→一目の手筋を買う→今

羽生定跡アプリはとりあえず代表的な戦法の触りが色々載っているので適当に眺めているとこれやりたい!みたいな感じでモチベが湧くのが一番いいところだと思う。最序盤における諸々の対策なんかはもう少し活用できる気がする。

ウォーズ課金して一ヶ月間指し放題になってしまったので負けが続くとつい勝てるまで反省もせず対局してしまって更に負けるという負のスパイラルで勝率が4割後半から3割台に落ち込んだ。指し放題だとなんというか2048ばりにとにかく惰性で続けて時間を浪費してしまう。期間が終わったら当分1日3局に甘んじますはい。

・変わったこと

少し前まで感情が完全に死んでいたのもあって電車移動中は駅メモ(ブルーライセンス)ポチポチマンだったのが、最近は延々と詰将棋をしている。電車ソシャゲマンよりは詰将棋マンのほうが文明人という感じがする。そうか?3手詰めハンドブック一通り終えてだいたいサクッといけたなと思ったので5手詰めに移ったけどあまり解けないというか時間がかかりすぎるので3手詰めやり直した方がいい気もする。

・今後

早石田やゴキ中されるとまず序盤からもうだいたいダメなのを何とかしたい。おれも暗黒面に落ちるか。どんな戦法でも序盤〜中盤の駒損が多くてそのまま負けるのと無理攻めして負けることが多いのでそこもなんとか。あとはどんどん右四間しかできなくなっている(棒銀しかけようと思ったら普通に間違えた)ので他の戦法も覚えないといけない。居飛穴だ居飛穴しかない。あと詰将棋

 

 

『ウォール街の物理学者』『金融の世界史: バブルと戦争と株式市場』

年末に読んだ2冊なのでまとめて書く。どちらも面白かった。 

ウォール街の物理学者 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

ウォール街の物理学者 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

「この本は、金融の世界に飛び込んでいった物理学者たちの物語だ。二〇〇八年の金融危機のこともでてくるけれど、それは話の一部にすぎない。(中略)でも僕が書きたいのは、もっと大きなテーマだ。クオンツというものがどうやって生まれてきたのか、そして現代の金融理論に欠かせないものとなった「難解な数理モデル」 とはいったい何なのか、それを理解する試みだ。」 

……と、概ねイントロダクションに書いてある通りの内容。中盤くらいまでは著名な物理学者・数学者・情報科学者(ポアンカレ、ギブス、マンデルブロ、シャノンなどなど)が(指導教官であったり共同研究者であったりあるいは当事者として)これでもかと出てきて取っ付き易いというかお前か!となる。ブラック・ショールズ方程式で有名なブラックも自然言語処理に貢献していたとか、ソネットとかいう何でもやるマンとか、何というかすごい人はすごいなあ、みたいな。

確かに、クオンツというものがどうやって生まれてきたのかについてはよく分かった。「難解な数理モデル」とはいったい何なのかは結局良くわからず仕舞ではあるが、ランダムウォーク・モデルは1900年のバシュリエの博士論文まで遡るというか、(その後約50年間日の光を見なかったとはいえ)かなり古いものだということを知れてよかった。

 

金融の世界史: バブルと戦争と株式市場 (新潮選書)

金融の世界史: バブルと戦争と株式市場 (新潮選書)

 

金融の世界史というか、お金(広義)にまつわる世界の話が色々と書いてあるという印象。メソポタミア文明が如何に先進的であったかや、世界各地で今で言うオプション取引がどれだけ古くからあったのか、有名な戦争や革命の時期での各国の経済状況がどうであったのかなどが書いてあり、興味深く読めた。

ただ古代〜中世〜近代くらいまでは面白かったものの、比較的現代の話では酒田五法をはじめ明確に根拠があるわけでもないテクニカル分析(笑)に紙面が多く割かれているのはあまり面白くなかった。

 

モデルから出発する場合はランダムウォーク・モデルのような単純なモデルはあくまで出発点であり、実際のデータとの解離具合から適宜修正する必要があるというのは実際そうだし、前述の本にも書いてあるし、修正されたモデルも実際色々とある(らしい)。最近の大失敗は古い単純なモデルを頑なに使い続けたため、と前述の本にも書いてあるし、その辺りの経緯を考慮しないでモデルから出発するのはどうこう、というのは早計だと思う。モデルから出発するからこそ、現実のデータと対比したときに、どの仮定がどのように現実的でないかが明らかになるわけで。

人間はランダムかそれに近いようなデータ列を見ても勝手に法則性のようなものを見出してしまうので、モデルではなく実際のデータから規則性を抽出することから出発する場合は尚更実際のデータとの一致性が求められる(と思う)し、それに基づく予測が外れたときに説明のしようがなくなりかねない(と思う)。とりわけそれを人間がやってしまう場合はどれだけバイアスがかかるかもを考えると色々通り越して恐ろしい。

2016 12/20追記

何か久々に読んだら意味分からんことが書いてあったので打消。一致性とかバイアスとかいう単語を使うと統計の文脈に思われかねないのでだめだな。こういう場合は予測誤差が小さいモデルがよかろうと思われるので統計でいうところのバイアスはあってもいいです。何でも直線、何でもガウシアン、こんな感じで線を引ける気がする、とかはよくないです。

 

『リスクを知るための確率・統計入門』

 

リスクを知るための確率・統計入門

リスクを知るための確率・統計入門

 

 5章の損保数理入門は流してとりあえず読み終えたことにした。

一応本書は『弱点克服大学生の確率・統計』と『リスク・セオリーの基礎』のギャップを穴埋めするものとして想定されたらしい。

けれど『統計学入門』のような本と前者のような演習書の間にも(とりわけ演習不足マンには)ギャップはあって、むしろ個人的にはその穴埋めに役立った。ギャップはたとえば幾何分布、負の二項分布あたりの知識とか、密度関数の変換を息をするようにできることとか。『統計学入門』にも書いてはあるんだけど、こう流しがちな配置であったり具体的じゃなかったりするので、その辺りが強調されて具体的に書いてあって助かる。

あとキュムラントは便利だなとか、尖度の-3はそこから来てたのか!みたいなことも知れて面白かった。

理屈の上ではわかった積りになっているんだけど、具体的に計算しようとしたときに詰まりがちなのが解消される良書だと思う。

 

 

 

 

『損害保険の知識』

 

損害保険の知識<第3版> (日経文庫)

損害保険の知識<第3版> (日経文庫)

 

 いろいろ書いてあるので単純に頭がパンクする。

とりあえず第三分野のウェイトの大きさ、再保険、自由化や金融ビッグバンの重要性は何となくわかった。

新しい流れや合併がどんどん進んでいること(とはいえ00年台の話)は面白いなあと思った。

『あなたの人生の物語』

 

 

あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)

あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)

 

 端的に言って面白かった。とくに好きな作品は以下の4つ

・バビロンの塔

宇宙というか従ってる物理法則というかがこの現実世界のものと違うということがしれっと提示されるので、えっえっとなったりした。オチがまさにオチでよい。こういう情景で殴るタイプの静かなSFはむつかしいというか得意ではない。

・理解

静かじゃないSF。いきなり臨界超越者とか言い出すところで笑った。

・あなたの人生の物語

いい表題作だった。SF的な云々は置いておいても、単にその認識をもった上でその選択をした/受け入れたことがいいな、と思った。みんな大好き変分原理。この汎用性の高い手法をネタ的に使うのはこう勇気があるなあと思う。

・七十二文字

意外と好き。屍者の帝国からジョークと旅行を抜いて石造りで綺麗にしたみたいな感じ(伝われ)。やっぱり19世紀後半のイギリスはな~いいよな〜みたいな。